二分間の冒険の名言から学ぶこと
「二分間の物語」とは岡田淳さんの児童小説だ。今回はこの物語の魅力や学べたことを伝えていこうと思う。
とにかく読み始めると面白くて夢中になってしまう本のため、是非手に取って読んでもらいたい。
1.あらすじ(ネタバレ)
この物語は、小学生の主人公「悟」の話である。「悟」が校庭で黒い猫「ダレカ」と出会い、竜が支配する世界に飛ばされる。
そこで「ダレカ」は「別の姿に変えた自分を捕まえられたら元の世界に戻す。」という約束をする。
「ダレカ」は「おれは、この世界で一番確かなものの姿をしている。」というヒントを残す。「悟」はヒントをもとに、ダレカを見つけるために冒険を続け、世界を支配していた竜を倒す。
そして、ともに戦ってきた「かおり」に「いちばん確かなもの」が「悟」自身であることを教えてもらい、元の世界に戻るという話。
2.物語の魅力
① ドラゴンクエストのような設定
はじめは学校の校舎から始まる。そこから竜
の支配する世界に飛ばされて、竜を倒すために
剣を手に入れて竜を倒して元の世界に戻る話だ。この設定は男の子の心をくすぐること間違いなし。
② 謎かけで竜と戦う
竜は基本的に力づくで戦わない。挑戦者と「謎かけ」勝負をするのだ。例えば「見えているのにけっしてとどかず、生まれてから死ぬ前の日まであるもの。それは何だ。」といった少し奥が深い謎かけを竜は出してくる。皆さん答えが分かっただろうか?
このように謎かけ1つ1つが非常に面白いのもこの物語の魅力だろう。
竜と「悟」を含む挑戦者との駆け引きは読んでいてつい夢中になる。今の謎かけが分からなかった人はぜひこの本を読んでほしい。
3.名言から学ぶこと
「さおり」に「一番確かなもの」が「悟」自身だと教えてもらった後、「悟」は次の言葉を残す。
「かおり、たぶんきみのおしえてくれたこたえはまちがっていないだろう。
けれど、それだからこそ、ぼくの考えたこともまちがちがいじゃなかったと思うんだ。
なぜかというと、ぼくがそう思ったからなんだ。ぼくがいちばんたしかなものなら思ったもの、みんなも、そしてきみも、ぼくにとって、きっとたしかなものなんだ。」
この文を読み、最後の3行が特に印象に残った。この言葉は、自分自身を認めることは、自分の思うことや自分が大切にしている人を認めるられることにつながるのを表していると思う。
人には自分を「肯定できる人」と「肯定できない人」の2種類のタイプがいると思う。もちろん「肯定できる人」の方が豊かな人生を送れるだろう。しかし、周りを見てみると「肯定できない人」の方が多いような気がする。
子どもを見ていると特にそう思う。子どもはまだ知っていることやできることが少ない。知らないものやできないものに対してどうしても消極的になり、自分を「否定」しがちだ。
そんな自分を「否定」しがちな大人や子どもたちに、「2分の冒険」は楽しく、夢中になりながら「自分を認める」ことの大切さや良さを伝えてくれるのではないかと思う。
1,2時間で読める作品のため、是非お子さんと一緒に読んでいただからと良いと思います。