東大生の3分の1が公文式である理由
はじめに
今回は公文式について、以下の4つのポイントに絞ってお話しします。
今回はおおたとしまささんの「なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?」を参考にさせて頂きました。
1.公文式は幼少期に中学や高校までの内容を学べる。
まず、筆者は公文式を以下のように定義している。
公文式は算数・数学から始まった。一言で言えば、高校数学の学習を容易にするためのプログラムである。
そして、公文式では以下のような考えがあると述べています。
「計算問題はわかるよりもできることが大事」そして「自分の学年よりも2学年、3学年上の計算問題ができるようになれば、自分の学年の文章題や図形問題は難なく解けるようになる」
以上のことから分かるように、公文式は高校数学を簡単に解くための基礎を作っていて、2つ3つ上の学年の計算問題は努力すれば解けるものとしているんですね。
学校の先生もびっくりの考え方ですよね笑。
後々に公文式に追加された国語や英語についてもきっちりとした目的があるのでご紹介します。
まずは国語です。公文式の推薦図書のお話ですが、これまた凄いです。
国語の教材の各段階の読解力に合わせた推薦図書が選定されているのだ。未就学児用の『うたの絵本』から始まり、最終段階では夏目漱石の『こころ』やドストエフスキーの『罪と罰』、トルストイの『戦争と平和』まで、650冊がラインナップされている。
最終的には夏目漱石、ドストエフスキー、トルストイって僕ですら読んだことありませんよ笑
次は英語です。
公文式の英語教材の目的は前述の通り、あくまでも英文読解にある。 小学校低学年に相当するA〜Cの教材ではイー・ペンシルを使用しての音読と発音を中心にするが、小学校高学年に相当するD〜Fの段階(図13、図14)ではさらに書く練習を加える。中学校相当のG〜Iの教材では、文法についても学ぶが、ここでも教えることはない。プリント教材を使って、スモールステップで文法知識を身に付けていく。最終段階では英語の原書の文章を読解する。図15はキング牧師の有名な演説をそのまま教材に使用したものだ。
プリントの例見てもらったら分かると思いますが、めっちゃ読解レベル高いです!
小学生の子でもこんなレベルの国語、算数、英語をやる子がいると思うと恐ろしいですよね。
でも、それを可能にしているのが公文式なんですよね。
2.公文式は学習習慣を身につけられる。
本書では公文式に通った多くの人の感想をまとめています。
その人たちの感想から「学習習慣が身につく」「机に向かう時間が増えた。」という意見がありました。実際に2人の体験を紹介していきます。
1人目の東中さんは受験で中高一貫校へ進学した後、東大工学部へ進学した方です。
東中 学年を飛ばしてステップアップできるのは良かったですね。それと、たぶん机に座る習慣が身に付いたというのがいちばん大きいかなと思います。
2人目の千石さんも同じように中高一貫校に進学した後、東大の医学部に進学した方です。
千石 学習習慣が身に付くという点は大きいですね。僕は一時期個別指導の塾講師をやっていたんですけど、まわりの普通の子供たちって、机に向かって鉛筆を持って勉強するということがすごく苦痛らしくて。僕はそういうのを見るまで、勉強をまったく苦痛に感じなかったというか、むしろそれが普通だと思っていたので。それを普通だと思えたのが公文式をやっていたからなのかなと、最近感じるようになりました。
2人の例から見ても、学習習慣を身につける上で公文式は大いに役立っていることが分かります。
行こうと思えば小学生でも高校生の範囲までいける。そう思うと、モチベーションも上がりますし、学習習慣が身につくのも分かりますね。
3.公文式のデメリット
ここまでは公文式のメリットやその具体例を紹介してきました。
ここからは公文式のデメリットにも触れながら公文式の活用方法についてご説明します。
まず、筆者は公文式の問題点を以下のように述べています。この3点について説明していきます。
問題点は、
①余計なことをモヤモヤ考えることがない、
②他人の考え方にふれることもない、
③正解のない問いに対して最適解を出すような内容の教材ではない
①余計なことをモヤモヤ考えることがない
例えば、中学受験で出てくるつるかめ算は公文式では扱わないそうです。
公文式ではすぐに解けるように鶴亀算でなく、方程式を使って解くそうです。
方程式で解いたほうが早いし、楽なのですが、つるかめ算を通して、算数の概念を身につけるチャンスを自ら手放しているんですね。
(ちなみに落合陽一さんは、少年期は数学的概念を身につける絶好のチャンスだと述べていました。)
②他人の考えに触れることもない
公文式は基本的にアドバイスしてくれないし、教え合いのような子ども同士の活動が一切ありません。
そのため、相手に教えるという最も質の高いアウトプットのチャンスを潰してしまっているのです。
アウトプットについてはこちら⬇︎
③正解のない問いに対して最適解を出すような内容の教材ではない
筆者は公文式出身者の特徴を以下のように述べています。
算数・数学では、自信過剰になることがあります。途中経過や記述の仕方へのこだわりが薄くなることや、本質理解よりも手順記憶が重視されるために、授業を理解する姿勢に欠ける場合があります。
このように公文式出身者の多くが本質を理解せずに、やり方だけ覚えようとしがちなんですね。
やり方を覚えることが目標になると、どのような影響があるかを筆者は以下のように述べています。
中学受験をクリアしたとしても、中学校の証明問題や高校での記述問題でうまく指導されないと、計算力と得点力が 乖離 していくことになりかねません。
高校数学は計算問題だけではありません。証明や記述などの問題では計算力よりも、最適解を出すための理論の組み立てが必要なのです。
4.公文式の上手な使い方
もうこれは本著にバシッと書いてあります。
日本で小中高大と進学する現在の標準的な進学進路を歩むうえでは、次のような学習スタイルが望ましいのではないかと提案する。 「幼児期に算数・数学を開始し、教室に慣れてきた段階で国語をスタート。小学校中学年段階で最低でも中学校レベルが修了していることを目指し、その後は公文式での学習は英語のみに切り替え、算国理社は進学塾に任せる。
分かりましたか?そう、小学校に入る前に公文式は入るものなんです笑 究極の先取りですよね笑。
そして3、4年生のうちに中3の範囲まで終わらせて辞めろってことです。めちゃスパルタですよね笑。
実際にそんな飛び級してる子いるの?
そう思っている方、飛び級います!僕のクラス(6年生)には、高3の国語をやっている女の子や高3の数学をやっている男の子がいます。
ここで「凄いな」と思った皆さん、それは違いますよ!小6ですから、筆者的に言えばもう公文式は卒業していないといけないんです。
「でも、高校生レベルの国語、数学をやっているのなら優秀じゃないの?」と思う方もいらっしゃると思います。
その子たちの成績を見てみると、高3の数学をやっている男の子は算数の成績は優秀です。
その子は英語もやっているのですが、それに関しては普通程度の成績です。
高3の国語をやっている女の子の国語の成績は普通くらいです。
このよう高学年まで公文式に取り組んで、教材のレベルを上げても、学校で求められている学力すべてを満たすことができないことが分かります。
一番効果があるのは算数かな?というのが僕の率直な感想です。
さんの経歴について分かりやすくまとめた本著「なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?」ぜひ読んでみてください。