本好きのあらすじ解説&感想ブログ

主にビジネス書や小説、教育関係の専門書を読みます。その中でも面白い、良いと思ったらものをゆる〜く紹介します。

5分後に意外な結末ベストセレクション〜ちょっとした感動や恐怖を感じられる作品〜

1.はじめに(本の概要)

 今日は「5分後に意外な結末ベストセレクション」について読んだ感想や内容について話していきたいと思います。

 

 

 この本について、どんな作品か簡単に話しますと、10ページ前後の短い物語が20本程度入っている作品です。

 内容は様々で、怖い系や感動系、ハッピーエンドやバッドエンドの話もあり、読んでいて飽きません。

下に本の概要をのせておきますので、こちらも読んでもらえればと思います。

累計230万部突破の超人気シリーズの粋を集めたベスト集。恐怖、感動、笑い、涙…そして、最後にやってくるだまされる快感!たった5分の中で起こるドラマが、日常をリフレッシュさせる。ティーンから大人まで、どこから読んでも楽しめるショート・ショート集。朝読にも最適。書下ろしを含む22編を収録。

2.印象に残った部分

 鬼のツノ

★内容

 こ綾子おばちゃんと小学2年生の雅弘くんの話です。母親ではないが、雅弘くんの面倒を見る良子おばちゃん。

 なぜ面倒を見ているのか。それは昔、良子おばちゃんを捨てた男の息子が雅弘くんだったから。良子おばちゃんは、自分を捨てた男に復讐をするため、その道具として、まさひろくんを利用しようとしていました。

 2人はファミレスに行った後、鬼子母神と書かれた神社に向かいます。そこで、雅弘くんは鬼の文字の上にあるはずの点がないことに気づきます。

 偶然そこにいた老婦人が、子どもを奪われた母親の鬼の話をしてくれます。悪いことばかりしていた母親鬼は、自分の子を奪われたことを通して、悪いことをやめ、繋がなくなったのです。そのため、この神社の鬼の字には点がないのです。

 良子おばさんは老婦人と雅弘くんの話を聞き、感動して涙を流します。ですが、良子おばさんは復讐の気持ちを変えませんでした。雅弘を連れて、どこかに消えていきます。

★感想

 良子おばさんは、「鬼が悪いことを反省して、更生する」と言う話を聞いておきながら、雅弘くんを連れ去ってしまいます。ハッピーエンドか感動的なエンディングを迎えると思いきや、バットエンドに向かう部分が、読み手を悲しく、暗い気持ちにします。

失敗したキューピッド

★内容

 本が好きで内気な高校生詩織が、活発で人気者な春馬に思いを寄せ、告白を試みる話です。 

 詩織は、春馬に思いを伝えようと、本の最後のページに自分の思いを綴った手紙を挟み、春馬に貸し出します。本当の予定なら、春馬が本を最後まで本を読み切り、しおりの思いを知り、返事をする予定でした。

 しかし、春馬は幼なじみで互いに少し意識をしていた早苗に本を貸してしまいます。早苗は最後まで本を読み、詩織が書いた告白の手紙を読み、春馬が告白してきたと勘違いをして、付き合うことを承諾します。

 しおりはしばらく経ってから、自分の貸した本が2人の中を取り持つことになったことを知り、心から落胆します。

★感想

 しおりの告白が、春馬と早苗の恋を成就してしまう部分がなんとも滑稽で面白いです。また、甘酸っぱい青春時代を思い出させてくれます。

閻魔大王の裁き

★内容

 閻魔大王が、多くの人から嘘をついて金銭を騙し取った男を裁判にかけ、罪の重さを決めるために男とやりとりをします。

 閻魔大王の質問に対して、堂々と自分の罪を認める男。話しぶりが悪人そのもので、閻魔大王は男の舌を引き抜きました。

 閻魔大王は判決を済ますと、罪人を罪の重さをもとに6つの世界に送ります。悪人は地獄道という苦しい世界へ送られるのですが、その男は人間道と言う、人間の世界に戻されます。

 閻魔大王の部下たちは、なぜ地獄道に送らなかったのかを聞きました。閻魔大王は、男が困っている人のために、悪人から金銭を騙しとっていたことを知り、下の人間の世界に送り返したと答えました。

 そして、男は人間の世界に戻ると、舌を抜かれたにも関わらずしゃべっていました。男は嘘をつくのが上手い二枚舌。閻魔大王は確かに舌を抜きましたが、もう1枚は残ってたのです。

 その男は、2枚舌ではなくなり、正直な人となり、幸せに暮らしたそうです。

★感想

 閻魔大王は男がいいやつだったことを知り、裁判所の決まりを守りつつも、男のことも守ったところごがほっこりしました。

 また、作中に出てくる6つの世界は仏教の六道と呼ばれています。六道について学ぶ良い機会になりました。

3.目次

赤くなったリトマス紙

琥珀の中の命

食料問題

隣に住む殺人鬼

あの日を思い出して

鬼のツノ

補聴器

その時まで

見送る背中

ロボットの銀行強盗

失敗したキューピッド

待つ人

呪いの指輪

思い出の絵

密室ゲーム

有能なアルバイト

毎日が記念日

侵入者たち

生と死の間で

葉桜と魔笛

医者と患者

閻魔大王の裁き

4.著者紹介

東京都出身。あくせくと、執筆や編集に勤しむ毎日。じっと手を見る。生命線だけが長くてびっくり。『5秒後に意外な結末』『5分後に恋の結末』などを含む、「5分後に意外な結末」シリーズの編著や、『残念な偉人伝 それでも愛すべき人々』『残念な歴史人物それでもなお残す人々』の編集など。3度の飯より二度寝が好き。