本好きのあらすじ解説&感想ブログ

主にビジネス書や小説、教育関係の専門書を読みます。その中でも面白い、良いと思ったらものをゆる〜く紹介します。

「一切なりゆき 樹木希林の言葉」を読んで知った、樹木希林さんのありえない所、凄い所

1.はじめに

 皆さんこんばんは。今日は「一切なりゆき 樹木希林の言葉」を読んだ感想をお伝えしていきたいと思います。この本は樹木希林さんのインタビューや密着取材などを、文章に起こしたものである。主に、生きることへの考え方や家族についての考え方、仕事への取り組み方、男女についての考え方などが述べられています。

 

一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)

一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)

 

 僕は、この本を読むまで、樹木希林さんは「内田裕也の面倒を見てくれた女優さん」だと思っていたのですが、この本を読んでいくうちに、内田裕也さんと同じ位エネルギーや個性があふれた人だったと知ることができました。

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若き日の内田裕也さんと樹木希林さん

内田裕也さん、先だった樹木希林さんへの思いを語っていた「見事な女性でした」 | ハフポスト
 そこで、今回は本を通して思った樹木希林さんのありえないところと、すごいと思わせてくれたところについて話していきたいと思います。

2.樹木希林さんのありえないところ

 僕が思う樹木希林さんのありえないところ、それは限りなくゼロに近い欲望だと思います。第一章の「生きること」について樹木希林さんはこう言っています。

「ものを持たない、買わないと言う生活はいいですよ」

 一見、最近流行のミニマリストのように聞こえますが、内容は全く違います。樹木希林さんは本当にものを買わないんです。

 例えば服を例に挙げましょう。樹木希林さんはそもそも服を買いません。普段どうしているかと言うと、服をいらなくなった人からもらうのです。

 女優と言えば華やかな服を着て、テレビやシーエムに出ているイメージがありますが、樹木希林さんは「ものがあるとものに追いかけられます」と言って、服を一切買わなかったそうです。

 読んでいて面白いなと思ったのは、頂いた服を着ていて「suicaを入れる場所が欲しいなぁ」と思った時に、自分で程良いサイズの布を当てて縫い付けてポケットを作ったと言う話です。

 最近流行っているミニマリストはなんだかんだ言って、必要最低限と言いながら、必要最低限のものを買っているじゃないですか。自分はそれがミニマリストだと思っていましたし、人生を豊かに過ごせるコツかなと思っていたのですが、樹木希林さんのものに対する考え方を知り、自分の考えはほんとに甘いなって思いました。

 もちろん服だけではなく、家具も知り合いから譲り受けた家具を、色を塗り直したり修繕したりして使っているそうです。服がボロボロになった時は、それを雑巾にして掃除をしているそうです。究極のミニマリストですよね。

 極限まで物を減らすことによって、物に振り回されず自分を見つめる時間がしっかりとれるそうです。掃除する回数も減っただとか。ありえないようなことを樹木希林さんはしていたと思いましたが、物を買わない、持たないことでたくさんメリットがあると知りました。

 僕は毎日Amazonで欲しいものを検索するのが好きなのですが、欲求をなるべく削いで、自分や家族と向き合う時間にしたいと心から思いました。

3.樹木希林さんのすごいところ

 樹木希林さんの凄いところは、冷静に自分や周りの人を分析する力ではないかと思います。樹木希林さんは演技をする時、自分や周りの俳優さんを一歩引いた場所から、俯瞰して見ながら演技をするそうです。そのため、自分が今どんな演技をしていて、それがこの場面にふさわしいのかどうかを確かめられるそうです。さらに、自分だけではなく、周りの役者の演技が場面にふさわしいかどうかを判断することができたそうです。いわば、メタ認知の力が優れていたということですね。 

 僕は、淡々と自分や自分の周りの様子を把握し、今自分が何をすべきか考えて行動できる部分を見習いたいと思いました。自分は日頃仕事をしているときに、自分や周りの人たちを俯瞰して見ることが苦手です。例えば、失敗した時や忙しい時などはついつい自分の中でいっぱいいっぱいになってしまい、周りの人を見ることができません。忘れっぽい性格なため、ついつい自分の立場や置かれている状況を忘れてしまいます。

 演技の世界は、常に様々な変化を受け入れなければならいです。そのような世界で、状況を冷静に捉え、淡々と最適な演技ができる樹木希林さんは、かなり勘の鋭い人だったんだと感じました。

4.おわりに

 今回は「一切なりゆき 樹木希林の言葉」を読んで知った、樹木希林さんのありえない所、凄い所について考えてきました。振り返ってみると、樹木希林さんの良いところは、洗練された考え方や生活だと思いました。

 樹木希林さんには欲求がないという話をしましたが、そうすることで、やりたいことや望んでいる事を研ぎ澄ました人だと思いました。人間あれもしたい、これもしたいって思うところですが、そういった欲がそがれているところが素敵だと思いました。

 僕なんて「バスケを上手くなりたい」「筋トレして筋肉をつけたい」「勉強してもっと知識を蓄えたい」といった欲望だらけなんですね。今日この本を読んで、「自分がすべきことは何か?」を改めて考えなければならないと思いました。

 今日は最後まで読んでくださりありがとうございました。それではまた!!!

 

一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)

一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)