パラレルワールド・ラブストーリーはなぜハマるのか?
はじめに
最近、ふと久しぶりに小説を読みたいと思い、東野圭吾さんの名著「パラレルワールド・ラブストーリー」を読んでみました。
久しぶりの小説ということで、いつ読み終わるかと思っていたのですが、買った次の日には読み終わっていました。笑
今回は、自分がなぜそこまでこの物語に引き込まれたのかを考えてみましたのでご覧ください。
物語のあらすじ(ネタバレなし)
向かい合う車両の中で起こった運命の出会い
主人公の敦賀宗史は、バイテック社という科学系の会社が研究者の養成のために作った、MACという大学院に通う学生である。
宗史はMACに電車で向かう途中、必ず別の列車とすれ違う。別の列車にはいつも、綺麗な女性が乗っており、宗史は彼女に惹かれていく。
宗史はいつも彼女を自分の乗る電車越しに見ていた。そのうち、宗史は彼女も自分のことを見ていることに気付く。
大学院を卒業する日、MACに向かう最後の日に宗史は声を掛けることを決意し、いつも自分が乗る電車ではなく、彼女の乗る電車に乗った。
しかし、彼女の姿はなくふと向かい側のいつも自分が乗っている電車を見ると彼女の姿があった。
憧れの彼女は親友の友達だった
科学者として働き始めた宗史。彼には中学校からの幼なじみで、同僚である三輪智彦がいた。
智彦が彼女を紹介したいというので、宗史は大学時代の女友達である、夏江を数合わせで連れて、あるレストランに向かった。
浮かれる智彦が紹介した女性は、大学時代恋をした電車の女性であった。彼女の名前は津野麻由子。彼らが通っていた大学院に通う学生だった。宗史の中では、智彦を祝う気持ちと妬む気持ちが入り混じる。
麻由子は宗史の彼女!?
ある朝、宗史が目を覚ますとキッチンには津野麻由子が料理をしていた。何も疑わない宗史。そう、麻由子は自分の恋人そう宗は認識していた。
ん?話が食い違ってるぞ?と読者を急に困惑させる展開になっています。
脳内、現実から消えた親友
麻由子との順風満帆な生活をする宗史。しかし、何かが足りないことを感じる。そう、親友三輪智彦の存在だ。
智彦が今何をしているのか、宗史は知人や宗史の親に話を聞く。智彦はロサンゼルスに転勤したようだが、誰もそれ以上の情報は教えてくれない。
そもそも宗史は、智彦がロサンゼルスに行ったことすら忘れている自分に違和感を覚えた。
重なり始めるパラレルワールド
記憶が少しずつ戻り、混乱する宗史。
彼の前に偶然現れたのは夏江だった。彼女と軽く話をしていると、智彦と麻由子の話になった。そこで、宗史は津野麻由子は自分ではなく、智彦の恋人であったことに気付く。
確かに麻由子は自分の彼女だと思っていた。彼女自身もそうだった。だが、事実は違った。麻由子は智彦の彼女なのだ。
ではなぜ、自分の彼女になっているのか。混乱する宗史。宗史は真実を知るべく、智彦に関する不可解な出来事を調べていくことにした.....
ハマるポイント
人間の永遠の課題「三角関係」
ミステリー小説なのですが、テーマとなっているのは男女の恋愛関係です。今回は男2人が1人の女性を求めて争います。
男として魅力は無いが、麻由子を手に入れた智彦。男として魅力があり、麻由子と運命的な出会いをしたにも関わらず、麻由子と付き合えない宗史。
次第に形勢は逆転し、宗史と麻由子は惹かれていく。しかし、智彦がいるために恋が叶わない展開が読み手の心をくすぐります。
巧みな場面切り替え
この作品は麻由子が智彦の彼女である場面と、宗史の彼女である場面を交互に描いている。次第にその矛盾した2つの場面が近づき、真相に迫っていきます。
両方の場面が少しずつ、いくつもの伏線を貼りながら展開されます。そのため、、自分は読んでいて次どうなるのか、真相はいつ分かるのか、早く知りたい!といった気持ちになりました。
1992年に書かれたとは思えない、科学ミステリー
この作品で扱われる科学というのは、脳科学が中心です。宗史と智彦は脳内にどのような刺激を与えると、どのような効果があるのかを調べていきます。
2人の立てる仮説や検証が、まるで本物の科学者のようで、1992年に書かれた小説にしては、精巧な内容だと思いました。昔の小説っぽさが全くありません。
終わりに
とにかく、何度も読み手の推理を裏切ってくる作品で、最後まで目が離せません。
映画化されており、それぞれのキャストもキャラにぴったりなので見てみたいなと思います。
また、初めて東野圭吾作品を読んだので、何かお勧めがあれば教えてほしいなと思います。
5分で分かる、古事記の簡単あらすじ
今回は日本最古の文学、「古事記」を五分で分かるように、噛みくだいて大事な部分だけお伝えします。
古事記は、日本が生まれてから、推古天皇までのまでの歴史を物語にしたものです。その中で、様々なキャラが登場します。個性豊かで楽しいお話ですので、ぜひお読みください。
目次
イザナギ・イザナミ編
2人が恋に落ちると国ができる
古事記の始まりは、日本列島を作るところからです。日本列島ができる前から、様々な神が登場するのですが、今回は省きます。
日本列島を作ったのはイザナギとイザナミです。イザナギは男、イザナミは女の神様です。
この2人が太くて大きな木の周りを、それぞれ回ります。そして、2人が鉢合わせして、互いに好きになると、神や日本の島が生まれるという話です。有名なのは淡路島です。淡路島が最初に生まれた島だと言われています。
イザナギ黄泉の国で衝撃の出会い
順調に神や島を量産した2人でしたが、火の神を産むとき、イザナミは死んでしまいます。
納得がいかないイザナギは黄泉の国まで行き、イザナミを連れ戻そうとします。黄泉の国にたどり着き、イザナミと出会ったとき「私がいいと言うまで私を見ないでください。」と忠告されます。イザナギはその約束を破り、イザナミを見てしまいます。そこには、腐って見るも無残な姿になったイザナミがいました。
イザナギは、怒ったイザナミからなんとか逃げ切ることができました。ですが、イザナミはイザナギの国の人を、1日に1000人殺す呪いをかけました。そこから人間は死んだり、生まれたりすることを繰り返し始めたそうです。
スサノオ編
問題児の神スサノオ
イザナギ達の代から少しだけ時間が経ち、アマテラス、ツクヨミ、スサノオの三兄弟の神が強い権力をもちました。
一番下の弟スサノオは、とにかく日頃の行いが悪く、迷惑ばかりかけていました。ある日、姉であるアマテラスに仕える女性を、驚かせてショック死させてしまいます。アマテラスは激怒し、スサノオは天界から日本の出雲に追い出されてしまいます。
追い出された問題児が大活躍
出雲に追い出されたスサノオは、ヤマタノオロチの被害にあっている村にたどり着きます。ヤマタノオロチは一年に一度、村の娘を一人食べてしまうそうです。村に残った最後の娘クシナダヒメも、もうじき食べられてしまうそうでした。
かわいそうな村人を見て、村を救う決意をしたスサノオは、ヤマタノオロチ退治をすることになりました。
ヤマタノオロチは八つの首を持つ、大蛇です。スサノオは、それぞれの頭が飲めるように、8つの酒の入った入れ物を用意しました。ヤマタノオロチは案の定、酒を飲み、酔い潰れて寝ました。スサノオは寝ているのを確かめると、剣で切り殺しました。
ヤマタオロチの腹の中から、一振りの剣を見つけ出した。それが草薙の剣と言われています。その後、スサノオはクシナダヒメと共に、幸せに暮らしたそうです。
オオクニヌシ編
スサノオと全く似てない子孫
時は経ち、スサノオの子孫に八十神やオオクニヌシという神が登場します。オオクニヌシはスサノオと正反対の弱々しい性格でした。そのため、いつも兄弟の神である八十神に、いいように使われていました。
〇〇さを武器にオオクニヌシは一国の主に
オオクニヌシは弱々しく、八十神にこき使われていました。ですが、誰よりも優しい心をもっていました。
ある時八十神と、ヤガミヒメという有名な美女に結婚を申し込むことになり、共に移動をしていました。
歩いていると、サメに全身の皮を剥がれた白兎を見つけます。冷たくあしらう兄弟の神とは違い、オオクニヌシは優しく助言をしたそうです。
そうしているうちに、ヤガミヒメのもとにたどり着きました。オオクニヌシは八十神にいいように使われて、求婚できずにいました。
しかし、ヤガミヒメはなんとオオクニヌシを結婚相手に選びます。ハッピーエンドに見えますが、その後、八十神に2度殺されるなど、恨みを買って黄泉の国に逃げることになります。
黄泉の国では、スサノオとその娘スセリヒメに出会います。オオクニヌシはスセリヒメと恋に落ちるのですが、スサノオから数々の嫌がらせを受けます。オオクニヌシは、度を超えたスサノオの嫌がらせを乗り越えます。スサノオは最終的に二人の仲を認め、二人に出雲を納めるように伝えるのでした。ここで、ようやくオオクニヌシに幸せが訪れます。
アマテラスの襲来
オオクニヌシは、スセリヒメと共に国を納め、子供も生まれて順風満帆そのものでした。しかし、天界ではアマテラスがそれを許しませんでした。三度にわたり刺客を送り、国を明け渡すように迫り、オオクニヌシはアマテラスに国を渡すことになりました。アマテラスの刺客は「国を渡す代わりに何か願い事はないのか?」と聞きました。オオクニヌシは、スサノオに出雲に大きな社を建てろと言われたことを思い出します。「出雲に大きな社を立てて欲しい。」そう願い、建ててもらったのが出雲大社だと言われています。
ニニギ編
生まれながらにして、日本を治める神ニニギ
オオクニヌシから出雲を譲り受けたアマテラスは、誰に出雲を治めさせるか考えました。その頃ちょうど孫が生まれたため、孫を送り込むことにしました。孫の名前はニニギと言います。この出来事を天孫降臨と呼びます。
美人を選び、ブサイクを捨てた罰
日本に降り立ったニニギは、まず奥さんを探します。そこで見つけたのがサクヤヒメです。早速プロポーズをしたところ、父親に相談したいと言われます。
父親は「姉のイワナガヒメとサクヤヒメの二人を嫁にしてほしい。」とお願いしました。しかし、ニニギはイワナガヒメがあまりにも可愛くないので、断ってしまいます。
イワナガヒメは岩のように長く生きる力を持っていたのですが、結婚拒否されてしまったため、ニニギは祟りに合います。祟りに合い、不老不死の能力を奪われてしまったのです。
よって、ニニギの代からは神ではなく、人になってしまったのです。そして、ニニギとサクヤヒメから生まれたのが初代天皇の神武天皇なのです。
神武天皇から推古天皇まで
初代神武天皇、大和へ
神武天皇は九州の宮崎県高千穂で生まれました。ここは日本の中心ではない。中心に朝廷を作ろうということで、大和地方を平定し、大和朝廷を築きました。
12代景行天皇と強すぎるヤマトタケル
時は流れ、天皇は12代景行天皇の時代となります。景行天皇にはヤマトタケルという、恐ろしいほど力と狂気をもった息子がいました。その力と狂気は凄まじく、父をだました兄を殺してしまうほどでした。
ヤマトタケルを恐れた景行天皇は、九州のクマソ一族を征伐するよう命じます。ヤマトタケルはクマソの代表を暗殺し、帰り途中に出雲の代表も討ち取るなど、大活躍をしました。
景行天皇のもとへ戻り、報告をすると、景行天皇はすぐに東国の平定を命じました。父は自分を恐れ、死んでほしいのだと察したヤマトタケルは、悲しみに暮れ、伊勢の叔母の元を訪ねます。叔母から草薙の剣をもらいます。草薙の中を手に入れたヤマトタケルは東国をものすごい勢いでで征伐していきます。
しかし、討伐の途中に殺したイノシシが山の神であったため、山の祟りを受けることになります。自然災害に、見舞われヤマトタケルはついに命を落とします。ヤマトタケルは命を落とした瞬間、白鳥となり天国へと旅立ちました。
13代仲哀天皇の死、神功皇后による朝鮮征伐
ヤマトタケルが死に、その息子である仲哀天皇は、景行天皇の跡を継ぐことになります。良い国にするにはどうしたら良いか、妻の神功皇后と話し合いをしていました。
その時、急に神功皇后にアマテラスが乗り移り、新羅を攻めなさいと言う御信託を受けます。御信託を信じなかった仲哀天皇は死んでしまい、神功皇后は天皇の代わりに新羅を平定することになります。
物語のラスト
それから何十代と天皇は続き、内部で争いがありましたが、33代である今の推古天皇に至るのです。と言った流れで古事記は終わります。
まとめ
古事記はエピソードを細かく見ていくと、日本の地名の起源が分かる。エピソードがそもそも面白いなど、魅力的な作品です。面白いと思った方は、今から紹介するものを活用して、もっと古事記の魅力を味わってはいかがでしょうか??
マンガで楽しく⬇︎
詳しく知りたい方は⬇︎
知らないと損する、文章をもう1レベル上げるコツ5選
「文章を書くのは苦手じゃないけど、みんなにほめられるほど上手ではない。」
「書き方はなんとなく分かるんだけど、いまいち良い文章が書けない。」
そんな方、たくさんいるんじゃないでしょうか。今回は今の文章力を、もう1段階レベルアップできるコツを5つに絞って紹介したいと思います。
目次
- コツ①文章にリズムを作るには〇〇語を上手く使おう
- コツ②文に重みをつけたいときは〇〇〇〇にしよう
- コツ③類義語にも、〇〇や〇〇に違いがある
- コツ④〇〇〇〇で読まれるかどうかが決まる
- コツ⑤混ざってしまう、〇〇と〇〇を仕分けして使おう
- まとめ
コツ①文章にリズムを作るには〇〇語を上手く使おう
〇〇に当てはまるのは接続語です。
文章というのは読み手側のペースで読まれます。話している時と違い、書き手側は読み手のペースをつかむことはできません。
ですが、接続語の使い方次第では、読み手にリズム感を出させ、書き手側のペースに乗せることができます。
書き手側も接続詞のバランスを考えることで、文章全体のバランスを考えて書くことができます。
ちなみに、スティーブンコビー氏の名著「七つの習慣」は、1ページ700文字ほど文字があります。その中で、接続詞は1つか2つ使われています。
「7つの習慣」を基準にして考えると、接続詞は、およそ400文字(原稿用紙1枚分)につき1.2回使うと良いでしょう。
400文字超えても接続詞がない場合、読み手にだらだらと語っている印象をもたれるかもしれません。
100文字ごとに接続詞を入れてしまうと、話が転々として、読み手を混乱させてしまいそうですよね。
以上のことから、原稿用紙1枚につき接続詞は1つか、多くて2つぐらいと決めて作文をしましょう。
コツ②文に重みをつけたいときは〇〇〇〇にしよう
〇〇〇〇の答えは体言止めです。
会社の文章や公用文には、多くの制限があります。
そういった場合には、ブログのように見出しをつけたり、色をつけたり、アンダーラインを引いたりといったことができません。
そこで活用できるのが体言止めです 。例えば、今から2つの文を示すので、どちらが印象的に残ったか考えてください。
①何よりも重要なのは論理的な文章であること。
②何よりも重要なのは論理的な文章であるということだ。
皆さんはどちらが印象に残ったでしょうか。
答えは①だと思います。このように、体言止めを使うことによって、文章の中で流れが変わり、その部分が印象に残るのです。「ここの分は強調したいな。」と思う時は、体言止めを使った文章にしてみましょう。
コツ③類義語にも、〇〇や〇〇に違いがある
2つの〇〇には、重みとキレが入ります。今回は2パターンの例を示しますので、重みやキレの違いについて考えてみてください。
【逆接の接続詞の例 】
①朝起きてみると熱があった。だが、私は学校に行った
②朝起きてみると熱があった。しかし、私は学校に行った
③朝起きてみると熱があった。でも、私は学校に行った
どれが強い感じがしましたか。おそらく「だか」が一番強い感じがしたと思います。「でも」は少し柔らかく感じたと思います。「しかし」はその中間で、客観的な感じがしますよね。
【「良い」と言う意味の類義語の例】
①フランスで見たモナリザの絵は良かった
②フランスで見たモナリザの絵は素晴らしかった
③フランスで見たモナリザの絵は素敵だった
さて、どれが一番良い感じがしましたか。「素晴らしかった」が一番良い感じがしたのではないでしょうか。「良かった」が一番ソフトな感じがすると思います。「素敵だった」はその中間ぐらいにあり、当たり障りの無い感じがしますよね。
このように同じ意味の言葉でも、重さやキレの違いがあるんです。文章に軽重をつける時には、類義語をうまく使い、伝わりやすい文章にしましょう。
コツ④〇〇〇〇で読まれるかどうかが決まる
〇〇〇〇に入るのは、書き出しです。
出口さんは、ある時に文芸雑誌の編集者の話を聞いたそうです。編集者は、新人賞の作品を読むとき、原稿用紙の5枚目までを読んで、良し悪しを判断するそうです。ちなみに、そこまで読んでつまらなかったら、続きは読まないそうです。なぜなら、書き出しのつまらない文章は、その後面白い文章になることはないからだそうです。
このように、書き出しというのは、その後の内容の方向を示す、コンパスの役割があります。気合を入れて書きましょう。具体的なポイントについては、下に示しておきます。
【魅力的な書き出しを作るポイント】
短い文章の場合
主張は初めに短く書きましょう。とにかく最初に興味をもってもらえたら、読んでもらえます。写真やイラストを使って、表現するといった工夫もあると良いでしょう。
1万字を超えるような長文の場合
長文を書く際は、主張を書く場所を臨機応変に変えましょう。例えば、根拠や具体例に自信がある時は主張は最後に書きます。根拠や具体例が面白ければ、結論を急がなくても読んでる人を楽しませられるからです。主張に魅力があるときは、主張を最初に書きます。読んでみて、気になった主張であれば、読者は自然と最後まで読もうとするからです。本来であれば、主張や具体例、根拠も面白い方が良いのですが、書くネタの特徴を生かして、文章構成を作ると良いのではないでしょうか。
コツ⑤混ざってしまう、〇〇と〇〇を仕分けして使おう
〇〇には主観と客観が入ります。これができていない文章の例に、炎上したツイートが挙げられます。
炎上ツイートは、主観と客観がごちゃ混ぜになっています。
例えば、このツイートを見てください。
「最近の中国は空母を装備するなど、軍事力が飛躍的に高まっている。安全保障面でアメリカの傘に依存している日本など、あっという間に、中国に占領されてしまうだろう。」
これをつぶやいた人は、中国が持っている空母が、ロシアの20年以上前の中古品であることや、日本の防衛費が、世界6位であることに意図的に触れていません。つまり、中国は危険だという自分の主観を通すために、客観的な情報を意図的に選んで使っているんです。
読み手のことを意識して、様々な角度から物事を考えて文章を書けば、炎上は起きません。
特に、何かを批判するのであれば、相手側からの反対意見も踏まえてツイートしないと炎上しかねません。
まとめ
「文章をもう1レベル上げるコツ5選」はためになったでしょうか。他にも文章のレベルを上げるコツがあれば、コメントお待ちしております。ありがとうございました。では、また!
学校の見方が180度変わる。桜丘中学校6個の改革
「服装の決まりが無い」
「定期テストが無い」
「机はきれいに並べない」
「登校する時間が無い」
「宿題が無い」
そんな学校があったらどう思いますか?
生徒として学校に通ってみたいですか?
先生として働いてみたいですか?
今日は、そんな型破りな校風の世田谷区立桜丘中学校について話したいと思います。
参考図書はこちら⬇︎
校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール: 定期テストも制服も、いじめも不登校もない!笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた
- 作者:孝彦, 西郷
- 発売日: 2019/11/11
- メディア: 単行本
目次
①服装に関する校則を廃止!
桜丘中学校には、服装に関する決まりがありません。というか、西郷先生が、少しずつ校則にある矛盾を問題に挙げ、話し合いにより廃止しました。
白い靴下を廃止
白い靴下でないとなぜいけないのか?疑問に思った西郷先生は、生活指導主任に聞きました。
生活指導主任は「白の靴下は、汚れがすぐに分かり、清潔だからです。」と答えました。
西郷先生は、汚れやすい医療現場では、紺色やえんじ色の白衣が増えてることを知っていました。学校生活では汚れることが多いです。そのため、白色の靴下を履くという校則を廃止しました。
紺色セーターを廃止
セーターの色は紺色とする。これは、靴下の決まりと矛盾しています。西郷先生は、なぜ紺色なのかと聞きました。生活指導主任は「派手にならないようにするためです。」と答えました。
西郷先生は、白色は派手な色ではないと考えました。さらに、黒色ですら校則違反だとして、指導をしている先生がいることを知りました。この後、段階を踏んでセーターの色は自由となりました。
中学生らしい服装の見直し
紺色セーター廃止がされた後、黄色のセーターを着てくる子がいたそうです。生活指導主任はすかさず「派手な色はダメだ。」と指導しました。
西郷先生は「派手」という言葉に引っかかるものを覚えたそうです。そして「何で派手じゃいけないの?」と聞くと、生活指導主任は「中学生らしくないからです。」と答えました。
西郷先生は「らしい」という言葉が好きではありません。今度は「派手って何?」「中学生らしいって何?」と聞くと、生活指導主任は答えることができませんでした。
中学生らしい=地味な中学生と先生は捉えがちです。西郷先生は、派手な服を着たいのも中学生らしさであると考えました。
このエピソードを読んで、改めて常識を見直す大切さを感じました。
②定期テスト廃止!
定期テストは自己肯定感を下げる
定期テストは中間なら5科、期末なら9科の予習をしなければなりません。自分の将来がかかっており、大きなプレッシャーになります。
実際にテスト前には、不安で欠席する、不安定になる、帰ってきたテストを見て落ち込む、自信を無くす子などがたくさんいるそうです。
西郷先生は、このことから定期テストが子どもの自己肯定感を下げていると感じたそうです。
定期テストを無くしたら、学力向上したが…
子どもからの要望もあり、定期テストは廃止されました。その代わりに単元テストと実力テストが導入されました。
単元テストは、単元が終わる度にテストをすることです。また、参加自由の再テストも用意されており、良い点数だった方を成績に入れるシステムです。
子どもは短い範囲で度々テストを行います。良い点が取れなくても、再テストができる。だから、システムを変える前よりも勉強するようになったそうです。
「それでは全員の成績が上がってしまうのではないか?」そう思いましたが、西郷先生は、子ども全員の成績を上げることが教育であると言っています。
自分は、今までの常識に囚われ、何も考えずにABCをつけていたことを恥ずかしく思いました。
定期テストを無くせば、宿題も無くせる
単元テストが嵐のようにやってきます。頑張れば必ず結果が出るテストです。うっかり失敗してしまっても、再テストで挽回ができます。
明確で努力のしやすい目標があれば、子どもは常にやる気をもって自ら勉強するため、宿題はいりません。むしろ子どものやる気を削いでしまいます。西郷先生は宿題も廃止したのです。
③「机をきれいに並べなさい!」を廃止!
以前、桜丘中学校には、机がきれいに並んでいることに負担を感じる子どもがいたそうです。UD(ユニバーサルデザイン)を意識して、あえて机は整頓しません。
他にも工夫として、机や椅子の足にテニスボールをはめて、動かした時に音が出ないようにする。
前方の黒板や、その周りには掲示物を貼らないといった実践がありました。
④登校時間廃止!
皆さんは、遅刻して先生に叱られたことがありますか?
桜ヶ丘中学校では、決まった登校時間がありません。いつ登校しても良いんです。教室に入らないといけない訳でもありません。廊下にいすと机が置いてあるので、そこで過ごしたり、校長室に行ったりと自由です。
西郷先生は何らかの理由で学校に来れない子。理由もないのに学校に来れない子のために何が出来るかを考えました。
そこで、効果的だったのが登校時間の廃止だったそうです。真面目な子は、授業の時間にきちんと来ます。学校に来れない子は、なんとか廊下まで来て勉強する子が増えたそうです。
⑤授業は寝て良いぞ!
桜丘中学校では、授業中寝ている子を起こしません。昼寝をすることで、集中力が上がることを分かっているからです。
先生は必ず優しく見守り、起きるのを待ちます。桜丘中学校は都内の学校で、成績が悪いなんてことはありません。つまり、ちゃんとした目的があれば授業中寝ていても問題はないのです。
⑥校長室には、スマホ充電器コーナーを
桜丘中学校では、スマホやタブレットの持ち込みが許可されています。読字障害の児童がきっかけとなり、持ち込みが許可されるようになりました。
学習にタブレット端末が必要だった生徒が、気兼ねなく使えるように全員に使用を許可したそうです。
西郷先生は、子供と接点をもつために、充電機コーナーを作りました。充電中は他愛もない話をしながら、楽しく過ごすそうです。
まとめ
豪快な改革をする西郷先生は、子供一人一人の声を親切に聞いて、子供の願いを叶えてきました。
やっていることは大胆ですが、本質的には普通の先生とやっていることは変わりません。
シンプルにやるべきことを考えて、やると決めたら覚悟をもって実行する大切さ。それを心から学ばせてもらったと思います。
最後に、桜丘中学校に一つだけ存在するルール「桜丘中学校3つの心得」を紹介します。それは「礼儀を大切にする」「出会いを大切にする」「自分を大切にする」です。
皆さんは3つの心得をどう思いますか。自分は、抽象的だなと思いました。それと同時に、心得を守るためには、責任をもたなければならないと思いました。
人間は校則が細かく決まっていたら「守ってるからいいや。」と考えます。例えば、身だしなみについての決まりが、細かい学校があるとします。その学校の児童は「校則さえ守れば良い。」と考えて、校則を守る意味を考えなくなります。
一方で、桜丘中学校の児童だったらどうでしょうか。礼儀を大切にするとは?出会いを大切にするとは?自分を大切にするとは?など、考えなければならないことばかりです。
いい加減なことをしていたら、「3つの心得は守れているのか?」と聞かれるでしょう。
そうなると、子どもは3つの心得をどう解釈して行動したのかを説明しなければなりません。子どもたちはだんだん考えて行動するようになると思います。
3つの心得の話を読んだ時、日頃から子どもに細かいところまで注意していた自分が恥ずかしくなりました。
これからは、子どもに責任をもってもらうために、最低限の決まりで子どもたちに考えさせる指導をしたいと思います。
他にも様々な実践と改革があります。ぜひ読んでみてください。
校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール: 定期テストも制服も、いじめも不登校もない!笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた
- 作者:孝彦, 西郷
- 発売日: 2019/11/11
- メディア: 単行本
ここまで読んでいただきありがとうございました。
二瓶弘行先生が教えてくれる、物語文指導9つの疑問と解決方法
物語文を子どもに教えるとき、何から手をつけたらいいのか全く分からない!!
来年度から教科書の中身が変わり、新しい物語文が出てきたらどうしよう…
そんな心配をされている方から、国語の指導が好きな人まで、読んでためになる本を紹介します。
今回紹介するのは、二瓶弘行さんの物語文授業づくり入門編です。
この本は、二瓶先生の物語文授業の基礎的な部分がまとめられた書籍です。
読んでみると、物語文の授業って奥深いなと、改めて感じさせてくれる内容ばかりです。
さて、今回は本書の中から、特に大切だと思った物語に関する9つの疑問を解決方法とセットで話していきます。
目次
- 疑問①説明文と物語文は何が違う?
- 疑問②なぜ、物語は作者と呼び、説明文は筆者と呼ぶのか?
- 疑問③物語文を「読み取る」とはどういうこと?
- 疑問④最初に物語を読んだ感想を書かせたほうが良い?
- 疑問⑤物語の「場面」をどう教えると伝わりやすいか?
- 疑問⑥「場面分け」はいつさせると効果的なの?
- 疑問⑦あらすじはまとめた方が良いのか?
- 疑問⑧物語の場面構成をどう教えると良いのか?
- 疑問⑨主発問はどのようなものにすれば良いのか?
- 番外編①詩は文学か説明文のどっちに近い?
- 番外編②伝記は説明文か、物語文か?
- 番外編③物語に出てくる動物は人物?
- 番外編④ごんぎつねはなんで名作なのか?
- まとめ
疑問①説明文と物語文は何が違う?
説明文と物語文は、文の構造が以下のように違います。
【説明文】
言葉→文→段落→意味段落(形式段落)→文章
【物語文】
言葉→文→段落→場面→文章
子どもに何が違うのかを聞かれたら、赤色の部分を⬜︎にして、クイズを出すと分かってもらえますね。
疑問②なぜ、物語は作者と呼び、説明文は筆者と呼ぶのか?
作者と筆者に呼び分けるのには、確かな理由があります。
【説明文】
事実を文章にまとめた人のことを筆者と呼びます。説明文は、事実をもとに書いた文章のため、書いた人のことを筆者と呼びます。
【物語文】
文章を創作した(事実ではないものを作ること)人のことを作者と呼びます。物語文は、基本的に創作された文章のため、書いた人は作者となります。
※ちなみに、本を出版した人のことを著者と言います。ここも区別しておきましょう。
疑問③物語文を「読み取る」とはどういうこと?
【物語文を読み取る】
①作者の込めた人生観や価値観を探り当てる。
②「自分はこの物語から何を感じたか。」感想をもつことができること。
また、①のことを「物語の主題」や「作品の心」などと呼びます。説明文と比べてみましょう。
【説明文を読み取る】
①筆者の要旨をつかむこと。
②伝えたいことが、どのように表現されているかを検討すること。
③筆者の考えに対する、読者としての自分の意見や感想をもつこと。
物語文と比べると、要旨をつかむ、自分の意見をもつと言った部分に違いがあります。
疑問④最初に物語を読んだ感想を書かせたほうが良い?
書かせたほうが良いです。
ただし、その物語の授業を全て終えた後に、もう一度感想を書かせる必要があります。
なぜなら、最初に書いた感想と最後に書いた感想を比べて、読みが深まったかどうかを確かめるためです。
先生が成績をつけるときの良い根拠となります。
また、子どもは感想を比べて自分の成長を感じられるようになります。
疑問⑤物語の「場面」をどう教えると伝わりやすいか?
以下の3つの物差しで考えさせるとよいです。
①時(いつ)
②場所(どこで)
③人物(だれが)
重要なのは、この3つのポイントに絞って場面分けさせることです。
なぜなら、このポイントのいずれかは必ず物語に書かれているためです。
逆に、これ以外の観点で場面分けをすると、子どもがあらゆる所から根拠を持ち出し、場面分けをするため、クラス全体が混乱してしまいます。
補足ですが、場面分けは難しいため、1年生の場合は先生が教えてあげてもよいです。
子どもに任せると、混乱して場面分けに対して消極的になってしまう可能性があるためです。
疑問⑥「場面分け」はいつさせると効果的なの?
効果的なタイミングというのは無いのですが、6年間のうち、一度はやらせるべきです。
基本的に1年生を除く、他の学年であれば場面分けさせることは効果的です。
ですが、どの学年においても、教材は低学年の短い物語文にすることをオススメします。
理由は、高学年の文章は長くて場面も多いため時間と労力がかかるためです。
物語文で最も大切なのは、場面分けではなく、あくまで作者の主題歌や、作品の心を読み取り、感想をもつことですから。
疑問⑦あらすじはまとめた方が良いのか?
あらすじまとめは、ポイントをおさえて授業の初め頃と、終わり頃に行うとよいです。
【指導のポイント】
・各場面「時、場、人物(したこと、思ったこと)」に関わる重要な言葉を逃さず書かせる。
→なぜかというと、物語の中で、キーワードになっているものを考えさせることができるからです。
・各場面ごとにあらすじは1文でまとめさせる。
→なぜなら、1文にすることによって、場面の大切な言葉が何かを考えることができるからです。1文にしないと、教科書をだらだらと写してしまう子が出てしまいます。
【あらすじまとめの効果】
1回目
授業の初めごろにまとめさせる。→まとめることで読みを深める。
2回目
単元の終わりでまとめさせる→どれだけ読みを深められたか変化を見ることができる。
※教育過程のこともありますので、毎回やる必要はないです。
疑問⑧物語の場面構成をどう教えると良いのか?
定番は「起承転結」ですが、二瓶先生は以下のように場面分けするとよいと言っています。
【物語文の場面構成】
前ばなし(物語の設定が書かれている。)
⬇︎
展開場面(物語が進んでいく部分)
⬇︎
クライマックス場面(物語の山場。一段落のみ)
⬇︎
後ばなし(クライマックス場面後の変化が書かれている。)
とくに重要なのが、クライマックス場面は必ず1段落であることです。
1段落に絞ることで、主人公が大きく変わるきっかけになった出来事が、いったい何だったのか考えやすいからです。
もし、クライマックス場面を複数の段落でまとめると、子どもがきっかけとなる出来事を見つけられなかったり、時間がたくさんかかったりします。
疑問⑨主発問はどのようなものにすれば良いのか?
【二瓶先生が定義した主発問】
・主発問は、何が、どうして、どのように変わったかを考えること。
・主発問は、単元全体で1つ。主発問をする授業以外の時間は準備期間。
・クライマックス場面をよく読み込み、そこから作ることが一般的。
・主発問だけでは授業は成立しません。それを補助する重要発問がいくつか必要です。この2種類の発問があって、子どもから深い読みが生まれる。
つまり、クライマックス場面を通して、主人公がどうして変化したのかを考えさせられる発問ということになります。。
ここからは番外編です。ここまで面白いなと思った方はぜひ、お読みください。
番外編①詩は文学か説明文のどっちに近い?
結論は、物語文に近いものになったり、説明文に近いものになったりするということです。
【詩の分類方法】
①詩人が作った詩の場合→文学(物語文に近い)
例:金子みすずさんの作品で、登場する「わたし」は金子さん自身ではないため、物語文に近いものになります。
②授業で子どもが、ある生活場面を詩にした→生活詩(説明文に近い)
例:冬はこたつで食べるミカンが美味くて、ほっぺが落ちそう。という詩を子どもが作った場合、ミカンを食べるのは子どもです。そのため、物語文というよりは説明文に近いです。
番外編②伝記は説明文か、物語文か?
【伝記の定義】
二瓶先生曰く「文学的表現を駆使した説明的文章」だそうです。つまり、心情描写が盛り込まれた説明文となります。
なぜ説明文になるかと言うと、伝記は筆者が偉人から学んだことを伝える文章だからです。
偉人から学ぶということは、偉人がこれまでやってきた事実から何かを学ぶということになります。
筆者が、学んだことを伝えるために、どのエピソードを用いて、どのような表現をしたのか注目させるとよいです。
番外編③物語に出てくる動物は人物?
結論は「なるときはなる。ならないときはならない。」です。
【人物になるかどうかの区別方法】
○なるとき→人間のように話したり、考えたりしている場合。(ごんぎつねのごん)
✖️ならないとき→人間のように話したり、考えたりしない。(大蔵爺さんとガンの残雪、海の命のクエ)
残雪やクエは、あくまでも人物ではないが、登場するとても大切な動物となります。
番外編④ごんぎつねはなんで名作なのか?
ごんぎつねが名作である理由は、視点を、うまく使っているからです。
【視点とは?】
国語における視点というのは、いわば物語を誰が「語っているか」ということです。
語り手は誰だろうと意識をすると、物語の読みや良さが深まります。
視点は、主に2種類存在します。
【二つの視点】
①1人称視点→「私」視点(物語の主人公目線)
②三人称視点→語り手という第三者が物語を語っていきます。また、三人称視点は以下の3つの視点に分けられます。
【三種類の三人称視点】
1.限定視点→語り手が特定の人物の行動や心情を追う
例:スイミー、ごんぎつね、だいぞうじいさんとガン、やまなし、海の命など
2.客観視点→あくまで客観的に語り、心情を直接伝えることはない。
例:おおきなかぶ
3.全知視点→全ての登場人物の行動や心情を追う。
(全てを実況しているため、子どもっぽい。)
例:世界で一番やかましい音
では、ごんぎつねは視点を、どのようにして巧みに使っているのでしょうか?
それは最後の場面を見ると分かります。
基本的にこの物語は、きつねのごんの行動や心情を追う、限定視点で進みます。
なんですが、最後の場面で急にきつねのごんから、兵十に視点が切り替わるのです。
そうすることで2つの感情を読み手に感じさせます。
①今まで兵十のために頑張ってきたごんが、兵十に撃たれてしまって悲しい。
②ごんに寄り添った語りから、兵十目線の語りになることで、ごんの心の声が聞けなくなる。
つまり、「今、ごんはどんな気持ちなんだよ!!」「お願いだからごん!答えて!」みたいな気持ちになります。だから、より悲しく感じるんです。
まとめ
物語文の指導について、合計13の疑問とその解決方法を紹介してきました。
皆さんは、知っているものばかりだったでしょうか?
それとも知らないものばかりだったでしょうか?
個人的には、1つでも勉強になったと思ってくれたら嬉しいです。
ありがとうございました。