本好きのあらすじ解説&感想ブログ

主にビジネス書や小説、教育関係の専門書を読みます。その中でも面白い、良いと思ったらものをゆる〜く紹介します。

知ると驚く平安時代の身分制度とそのギャランティ

 平安時代といえば貴族の時代である。

 言わずもしれた藤原道長が「この世をば 我が世とぞ思う もちづきの かけたることを なしと思えば」と自信満々に言ったように貴族が覇権を握っていた。

 ではそんな貴族たちがどれだけの財産を持っていたのかということが気になる。調べてみるとそこには信じられない格差が見られた。

 まずは貴族の身分制度である。飛鳥時代から冠位十二階を聖徳太子が取り入れ、役人達の身分制度が整ってきた。平安時代中期以降には次の表にあるような身分に貴族達は分けられた。

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 ここで注目して欲しいのが左側にある公卿と殿上人という項目だ。殿上人といえばONE PIECEなどで出てくる殿上人だ。彼らは世界で1番身分が高く、かなりの権力を持つ人というイメージであろう。殿上人は三位以上もしくは、四位か五位で清涼殿という天皇の生活の場にある、殿上の間というところに上がることを許された人のことを示す。(彼ら以外の役人は地下と呼ばれた)確かに選ばれし存在なのではあるが、殿上人の中にはさらに高貴な公卿という括りがあったのだ。

 公卿の公とは太政大臣を始めとする大臣達のことを表す。卿というのは大納言、中納言、三位以上の参議のことを示している。要は実質の政治を握る人達だ。今で言う内閣の閣僚といったところであろう。

 では、そんな殿上人達がどれくらい給料をもらっていたのかが、分かるのが下のグラフだ。

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 地下と呼ばれる下級の役人と比べると殿上人がいかに高級取りだったかが分かる。特に公卿達は殿上人の中でも抜きん出た財力を持っていたことがわかる。

 このことから分かるのはごく限られた上位の役人が富を独占しつつ政治を行ってきたと言うことである。富を独占し、宮中では飲み会に短歌作りと娯楽に励んだ結果世の中はどうなるのか?勿論荒んでしまうのである。当然であろう。しかし、このとんでもない富をもち、娯楽に励んだ結果生まれたのが平安文化であり、日本の代表文学と呼ばれる源氏物語なのである。

あの奥ゆかしく、語彙力豊かな短歌や物語はこうした莫大な財力と時間が作り出したものなのかもしれない。