エピソードトーク①挨拶って大切?
1.はじめに
今回は自分が教員として永遠の課題である子供に挨拶の大切さをどうやって伝えるかについて考えていきたい。
理由としては現在勤めている学校では子供たちは非常に勉強に熱心で何事にも一生懸命取り組む子が多い良い学校だと思う。
しかし、友達とのコミニケーションや挨拶等などに関心意欲が薄く、気のない挨拶や元気がない挨拶が多いと学校全体を通じて感じられるからだ。
2.なんできちんと挨拶しないといけないのか?
そもそも挨拶とはなぜ大切なのか、自分が
これまで元気よく挨拶してきた理由を探してみた。
小学校では元気よくおはようございますと挨拶し、自分は中学校高校と野球部に所属しひたすら挨拶をしっかりする子供だった。特に、野球部は挨拶命のため、当たり前のように元気な挨拶をしていた。
通っていた中学校高校の先生には、なんとなく挨拶が大切であると言う話を聞いて、自分は理解した気になった。
3.子どもたちと接して気づかされた現実
小学校教員として勤め始めて2年。自分は初めて挨拶に対して大きな壁を感じる出来事があった。
それは、担任する3年生の子供たちが元気よく挨拶できなかったのだ。
挨拶の大切さは受け取った人が元気になるとか、相手にとって印象が良くなると説明し、自ら実践することで元気よく挨拶できるようになると思っていた。
しかし、子供は一向に元気よく挨拶することはなかった。
そのような日々が続き2学期3月期となると、子供たちにどうやったら挨拶が元気よくできるんだろうと言う疑問が浮かび、子供たちに挨拶の大切さを伝えることができなくなってしまった。
自分はそこで、理屈や頭で分かっていても、心から挨拶の大切さを感じたことに気づいた。
「こんなにも自分は挨拶に対する考えが浅かったのか、深く考えたことがなかったのか」
と、ひどく自分に落胆したことを覚えている。
4.挨拶に対する考えを変えてくれた出会い
そんなふうにして挨拶について子供たちに強く言うことができなくなって3年。自分はある講演家の言葉に心を動かされた。
それは鴨頭義人さんの
「相手に話をするということは相手にプレゼントを与えるということ。」だ。
この言葉を聞いて確かにそうだなぁと思った。同時に、「普段話す自分の話は子供たちにちゃんとプレゼントになっているのであろうか」そう思ったりもした。
よく良く考えてみると挨拶と言うのはとてもプレゼントに似ているのではないかなと思った。
プレゼントと言うのはそもそも相手が喜んでもらえるようなものを送ることを示す。
今思うと、
「めちゃくちゃ大きい声の挨拶は、聴覚過敏の人や大きい音が苦手な人に対して良いプレゼントになっているのだろうか。」
「形式上の棒読みのおはようはもらって果たして嬉しいプレゼントなのだろうか?」
と、自分が指導していた内容は、
「受取手のことを全く考えていないものでなかっただろうか。」
そう思うようになった。
5.改めて挨拶をするうえで大切だと思った3つのポイント
それからは相手がもらって嬉しい挨拶のプレゼントを考えるようになった。コツは3つだ。
1つ目は笑顔だ。笑顔は主観的に見ても客観的に見ても、相手を元気付ける効果があると考えられる。
そうじゃないだろうか。仏頂面で挨拶をされた時と満面の笑みで笑うとき挨拶してくれたらどっちが嬉しいかは誰でも分かる。
2つ目は爽やかな声である。これは科学的にうまく説明はできないと思うが、とにかく低い声で挨拶しないことが大切。
ここで言う低いとは個人の中で考えた低いである。子供には爽やかに挨拶してと言うと自然の音域が高くなるような気がする。高い声と言うのは相手の気持ちを下げるような効果はないし、相手からしたら
「挨拶してる人なんか元気いいな、いいことあったのかな。」
なんて想像が膨らむんじゃないだろうか。相手が何か機嫌が良いとどんないいことがあったのかなんとこちらもワクワクしながら想像ができる。
逆に低い声で挨拶をされると
「体調悪いのかなあ。何か嫌なことあったのかなあ。つまらないのかなあ。」
なんて言う妄想しかできないんじゃないだろうか。
3つ目は相手の目を見て挨拶をすることである。これは鴨頭さんが言っていた「承認と褒める叱るの原理」に当てはまるからである。
この原理はいくら褒めたりしても、いくら正しいことを言って部下を叱っても、日常の承認が足りないと全く効果がないという原理だ。
承認とは日ごろのコミュニケーションのことで、どれだけ相手のことを見たり知ったり、会話したりしているかと言うことだ。
日頃部下を承認しない上司に褒められたり怒られたりしたとしても、部下からしたら
「興味ないくせに何褒めてんだよ。見てねえくせに何わかったようなこと言ってるんだよ。」
としか思われ思われないと言うことだ。
この原理は友達同士でも間違いなく当てはまるであろう。
これを挨拶に当てはめると、日ごろ目を見て挨拶する人は相手に「気をかけてくれているんだな」と感じられやすいと思う。
一方で目を見て挨拶できない人は「こっち見てくれないなぁ。とりあえず挨拶してるって感じだな。」なんて思われるんじゃないだろうか。
6.終わりに
以上のことを踏まえて自分は日ごろから子供たちに爽やかににっこりと挨拶することを勧めている。
もちろん自分もそうだ。クラス全員できるわけではないが無いのだが、半分の子供ができればクラスの雰囲気がガラッと変わるんじゃないだろうかと考える。
実際に学級委員やクラスの子供たちが爽やかな笑顔見せてくれることで、自分のやる気も増えてきている。
もちろん他にもいろんな方法をとって指導していきたいと思うが、自分の中の心の軸はこの爽やかににっこり笑顔をテーマにやっていこうと思う。
皆さんは挨拶の大切さを伝えるということに対してどう思いであろうか。ぜひコメントよろしくお願いします。