覚えたことを忘れない記憶術 (脳科学を用いた効率の良い記憶法)
1.忘れない記憶術=分散学習
覚えたことを忘れないためには、こまめに記憶を繰り返す「分散学習」が大切だと考える。きっかけは出口汪さんの「『最強!』の記憶術」を読んだためだ。
今回は本書をもとに分散学習の効果を紹介する。
2.分散学習が良い3つの理由
① 脳は1度に全て覚えられない。
脳はそもそも必要な情報以外は忘れる。そのため、一回で全てを覚えることは不可能である。
例えば、「昨日テレビやスマホ、新聞で見たもの全てを思い出して下さい」と言われたらどれだけ思い出せるだろうか。恐らく数個しか思い出せないだろう。
このように脳は受け取った情報の中で、必要と感じたものは記憶し、そうでないものは忘れる。よって、1度に全て記憶しようとしても、脳は情報を必要、不要を判断し、不要なものは忘れてしまうのだ。
② 脳の仕組みは分散学習と相性が良い
脳は記憶をするときに、海馬、前頭葉、側頭葉の3つの部分を使っている。
海馬(机の働き)
受け取った情報を一定期間机の上に置ける。必要な情報は残して(一時的に記憶する)、不要な情報は机の上から片付ける(忘れる)のだ。
側頭葉(引出しの働き)
必要と判断された記憶を引き出しの中にしまう(長期的に覚える)働きがある。
前頭葉(机と引き出しを使う人の働き)
不要な情報は机の上から片付けて、必要な情報は引き出しの中にしまう判断をするのだ。
脳の仕組みを踏まえると、分散学習は側頭葉に情報を送る回数が増え、覚える量も増えるのだ。
③ 分散学習で忘れる量は2割以下になる
皆さんは下にある、エビングハウスの忘却曲線をご存知だろうか?
これは、人間が一定の期間でどれくらい覚えていたかを検証し、グラフにしたものだ。
注目して欲しいのは記憶の8割は1ヶ月後に忘れてしまうということだ。
しかし、繰り返し覚えようとすれば忘れる量が減ることを検証してグラフにしたものもある。それが脳生理曲線だ。
このグラフから、4回同じものを繰り返し記憶しようとすれば、忘れる量は2割以下になることが考えられる。
3.まとめ
今回は「覚えたことを忘れない記憶術」について考えた。
結論は「分散学習が効果的である。」だ。
また、「分散学習」は「実践するだけで忘れる量を2割以下にできる。」ため、テストを受ける学生から、何かの試験を受ける社会人まで勉強する際には実践してほしいと思う。
学習方法については機会があれば紹介したいと思う。また、出口汪さんの「『最強!』の記憶術」に書かれているため、興味のある方はぜひ読んで欲しい。